Sau
セキュリティは「難しそう」「どこから始めればいいのかわからない」とよく言われており、重要ながらも体系的に学ぶ機会が少ない分野です。このセッションでは、初心者向けにPythonコードをよりセキュアにするための知識と武器を紹介していきます。具体的な事例を交えながら、サプライチェーン攻撃やマルウェアが仕込まれているデータを防ぐ方法・ツールをわかりやすく解説します。
このセッションでは、Pythonに特有のセキュリティ上の考慮事項を取り上げます。SQLインジェクションやシークレットのハードコーディングのような一般的な概念にはあえて触れずに、Pythonのエコシステムにおける既知のセキュリティ上の懸念事項に焦点を当てます。
このパートでは、実際に起きた脆弱性や簡単なサンプルコードを使って、各種類の「闇」のリスクをわかりやすく紹介します。楽しく聞いていただくために、間違い探しクイズもやります。
闇データ(XML、zip、pickle)
闇アルゴリズム(random、hashlib)
闇バージョン(非推奨のPythonバージョン)
闇のサードパーティパッケージ(サプライチェーン攻撃)
最後に、簡単にできるセキュリティ対策ツールを紹介します。LLMでコードを生成することが多くなった今だからこそ、ツールでの自動対策が欠かせません。
セキュリティ上の考慮事項があるモジュールの公式リスト: https://docs.python.org/3/library/security_warnings.html
危険なpickleの使用を検出するruffリンターの例: https://docs.astral.sh/ruff/rules/suspicious-pickle-usage/
サイバーセキュリティの専門家として、既知のPythonセキュリティ上の懸念事項をわかりやすくPython初心者に紹介したいと考えています。中級者の方々にとっても良い復習になるかと思います。
今日の「Vibe coding」の時代において、「機能性」だけ注目されがちですが、「脆弱性」への考慮が足りないのではないかと感じています。このセッションを通して、みなさんにより良いセキュリティの習慣を身につけていただければと思います。
Pythonコードの「闇」に対する想像力を身につけていただきたいです。もちろんPythonはツールに過ぎませんが、Pythonのエコシステムに特有の脆弱性は多々あります。実例を交えて、そのリスクと対策を理解していただきたいと思っています。
Pythonパッケージのインポート Pythonの基本的な文法(サンプルコードを理解できる程度)
プロフィール
Based in Tokyo, Sau is a practical Python practitioner who currently works as a Cybersecurity Engineer at Sakana AI. She is a heavy user of her password manager.